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多くの工場設備において導入されている工業用ポンプ。適切に稼働させているつもりでも、何らかの原因で稼働をストップせざるを得ないトラブルが起こることもあります。
それらトラブルのうち、特に厄介なものがエア噛み。配管に空気が流入し、期待される吐出圧・流量を得られなくなるばかりか、最悪の場合、ポンプの破損が生じてしまう現象です。
ここでは、エア噛みの主な原因やエア噛みを発生させないための配管方法の工夫について解説します。
ポンプの配管の中に空気が入り込む現象を、エア噛みと言います。水面より高い位置にポンプの吸い込み口がある「吸い上げ式」に見られることの多い現象で、ひとたびエア噛みが発生すると、その復旧に手間がかかることが少なくありません。
稼働を止めたくない工場設備において、エア噛みの防止策を講じることは必須の課題となるでしょう。
エア噛みは、何らかの理由で外部からポンプの配管に空気が混入することによって発生します。または、流体に溶存していた気体が分離してエア溜まりが発生することでもエア噛みが発生します。
これらの現象が発生する原因には様々ありますが、大きく分けると次の3つが直接的な原因となるでしょう。
実際には、他にも様々な原因によってエア噛みが発生するため、修理する際には原因を明確にしなければなりません。
原因を特定するには長い時間が必要となるため、「エア噛みが発生してから対処する」のではなく、「エア噛みが発生しないよう配管方法を工夫する」のが大事です。
エア噛みが発生しづらい配管の工夫として、以下の注意点を確認しておきましょう。
エア噛みによる影響を受けやすい部分は、吸込み側です。ただし吸込み側は陰圧となるため、エア抜きバルブを使用することはできません。対策に制限があるからこそ、事前に配管方法を工夫しておく必要があります。主に次の3点に注意し、吸込み側の配管計画を立てるようにしましょう。
ポンプに向かって配管の角度が低くなっていく、いわゆる「下り勾配配管」は避けましょう。配管がカーブする最上部に軽い空気が上昇し、エア溜まりが発生することがあるからです。同様の理屈で、いわゆる「鳥居配管」も避けるようにしましょう。
すでに「下り勾配配管」によってエア溜まりが発生している場合には、ポンプに向かって1/100以上の「上り勾配配管」にして空気を抜きます。
タンクの水面よりも上にポンプを設置する場合、流体の逆流防止のためフートバルブ(フート弁)を取り付けることがあります。このフートバルブが正しく取り付けられていない場合には、バルブのすき間から空気が混入することがあるので、慎重に取り付けを行うようにしましょう。
仕様書に従って正しい向きに取り付けることはもちろんですが、万が一のトラブルに備え、メンテナンスをしやすい位置に取り付けることも大切です。
配管の接続部は、その構造上、空気が流入しやすい部分となります。その一方で、空気の流入に気付きにくい厄介な部分でもあります。
空気の流入を防ぐためにはフランジ接続が良いとされていますが、もし、ねじ込み配管とする場合には、正しくねじ切りや締め込みを行うとともに、しっかりとシールを貼っておくようおすすめします。
ポンプの配管におけるエア噛みの原因と、エア噛みを防ぐための配管の工夫などについて解説しました。
もしエア噛みが発生した場合には、期待される吐出圧・流量を得られなくなります。また、最悪の場合には、配管やポンプが破損してしまう恐れがあります。
エア溜まりが発生してからでは対応が困難になることが多いため、まずは発生を予防するための配管の工夫が大事です。工夫を施したつもりだったにも関わらず空気混入の疑いが生じた場合には、生産ラインへの影響を最小限に抑えるためにも、早急に専門業者に相談するようおすすめします。
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