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工業用ポンプにおける脈動とは、管の中を通る際に生じる一定のリズムのこと。心臓もポンプの一種ですが、心臓に生じるリズムを拍動ということに対し、血管や配管などの管に生じるリズムを脈動といいます。
工業用ポンプにおいては、脈動を抑制することでポンプの寿命の延長につながるとされています。
工業用ポンプには、その構造の違いにより「容積式ポンプ」と「非容積式ポンプ」の2種類があります。
これらのうち脈動が発生するのは、液体に一定の圧力を加えてエネルギーを与える「容積式ポンプ」です。「非容積式ポンプ」の場合は、羽根車を回転させて液体に連続的なエネルギーを与える方式なので、脈動は起こりません。
ただし、「非容積式ポンプ」の場合でも、羽根車の回転が1分間に10回程度の低速運転の場合には、液体が回転の都度吐き出されるような仕組みとなるため、正確には脈動が生じています。高速回転であれば脈動は生じない、という意味になります。
容積式ポンプでは、吐出と吸込の連続運動によって脈動が生じます。脈動の動きをグラフで表せば、一定のリズムで上下にカーブを描くような波形になります。
このカーブに対し、ちょうど正反対のテンポの吐出・吸込の連続運動を与えると、グラフの上下が互いに打ち消す形となり、あたかも脈動が消えたかのようになることをイメージできるでしょうか?
例えば、Aという脈動のカーブが上を描いているとき、Bという脈動のカーブが下を描けば、互いに上下を打ち消す形となり脈動が小さくなる、というイメージです。さらにCという脈動を加えれば、3つのグラフが細かく重なって、より脈動は小さくなります。
この原理に基づいたポンプのことを、多連続型往復動ポンプと言います。往復動のタイミングを180°ずらして2つの圧力ラインを形成するタイプが2連続型、往復動のタイミングを120°ずらして3つの圧力ラインを形成するタイプが3連続型です。2連続型より3連続型のほうが、脈動は小さくなります。
ポンプの吐出側に脈動緩衝装置を設置することで、脈動を抑える方法もあります。この際に設置する脈動緩衝装置を、エアーチャンバーと言います。
エアーチャンバーの中には空気が充填されていますが、この中に吐出の液体が入り込むことで空気が圧縮されます。この圧縮性を利用し、液体をほぼ連続流にして脈動を抑えるという原理です。
なお、エアーチャンバー内では空気と液体が直接接している状態となっているため、徐々に空気が液体の中へと溶け込んでしまうことがあります。結果、空気と液体が一緒に排出され、エアチャンバー内の空気量が減少します。
エアチャンバー内の空気量が減少すると脈動が大きくなるため、脈動を一定レベルに安定させて抑えるためには、定期的に空気の補給調整をしなければなりません。
容積式ポンプでは脈動が発生します。脈動が発生し続けた状態のままポンプを使用すると、配管や溶接部、ねじ接合部などへの負荷が蓄積し、ポンプの寿命を縮めることになりかねません。
ご紹介した多連型往復動や脈動緩衝装置(エアーチャンバー)を採用することで、ポンプの脈動を小さくすることが可能です。ポンプの寿命延長のため、ぜひ脈動抑制のための対策をとるようにしましょう。
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