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ポンプ選びに必要な知識として、ここでは、スラリー液の移送に適したポンプ選びについて解説します。スラリー液とは、固体が混合している液体のこと。ポンプの破損や摩耗を防ぐためには、固体の大きさや硬さなどに応じたポンプを選ぶことが大切です。
スラリー液とは、細かく砕かれた金属や土などの固形物が懸濁・分散して混合されている液体を言います。
大量の液体の中に、細かく砕いた固体をかき混ぜながら少しずつ投入していくと、最終的には水あめ状のドロドロした「液体兼固体」のようなものへと生成。一見、汚泥にも似たこの「液体兼固体」がスラリー液です。
一般に、スラリー液に含まれる固体が多ければ多いほど、また固体が硬ければ硬いほど、移送用のポンプの摩耗性が高くなります。スラリー液の移送用のポンプを導入する際には、取り扱うスラリー液自体の性質をよく確認することが大切です。
スラリー液の性質に応じた適切なポンプをご紹介しましょう。
スラリー液に混合されている固体が大きくて硬い場合、ポンプの摩耗性が高まることに加え詰まりが起こりやすくなることを考慮し、適切なポンプを選ぶことが大切です。たとえばバルブ構造のダイヤフラム式ポンプの場合、バルブの部分に詰まりが起こる懸念があるため、固体が大きくて硬いスラリー液の移送には適していません。
固体が大きくて硬いスラリー液の移送におすすめのポンプは、ホースポンプです。ホースポンプとは、生コンクリートや鉱山の排水処理などで活躍しているポンプの一種。小石などの固体も難なく移送するため、固体が大きくて硬いスラリー液の移送には最適なポンプと言って良いでしょう。
なお、ホースポンプにはバルブ構造がなくキャッチ作用によるせん断が少ないことから、養殖場の金魚やもずく、ガリ(ショウガ)などの移送にも利用されることがあります。
ローターに設置された2つの「プレッシングシュー」がホースポンプに沿う形で摺動。ローター回転時、ポンプホースがプレッシングシューに押しつぶされることで、ホースの中のスラリー液が強制的に押し出されます。
押しつぶされたポンプホースがブレッシングシューの圧力が開放された際、弾力復元力で生じる真空によりスラリー液が吸入されていきます。
スラリー液に混合されている固体が小さくて硬い場合(ビデオテープの磁性素材など)、かつては歯車構造の鉄製ギアポンプが移送用ポンプとして活躍していました。
しかしながら歯車構造の鉄製ギアポンプでは、摺動面がスラリー液の摩耗作用によって研磨されてしまうため、短期間によるポンプの交換が必要。この弱点を補うように、磁性素材への耐久性が高いジルコニアを主要部品に採用したポンプも使用されています。
スラリー液を定量ポンプで移送することは可能です。
定量ポンプとは、規定量の液体を高精度で繰り返し注入できるポンプのこと。種類を大別すれば往復ポンプと回転ポンプの2種類で、より細かく分ければピストンポンプやプランジャーポンプ、ダイヤフラムポンプなど、さまざまなタイプがあります。
たとえば下水処理場などでは、細かい固体を吸着・沈殿化させる工程において、専用バルブを搭載した定量ポンプが使われています。
スラリー液の意味、スラリー液に含まれる固体の性質に応じた移送用ポンプ、定量ポンプによるスラリー液の移送などについて解説しました。
スラリー液の性質に適さないポンプを無理に使った場合、摩耗が急速に進んでポンプ交換の時期が早まります。設備を長く使い続けるためえ、取り扱うスラリー液に適したポンプを選ぶようにしましょう。
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