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ポンプ選びに必要な知識として、ここでは、粘度と温度の関係について解説します。
粘度の高いドロドロの液体でも、温度を上げることで粘度が低下してサラサラの液体へと変化。ポンプを利用する際のヒントになるのではないでしょうか?
すべての物質は原子から成り立っていますが、その原子が集まっている状態を分子と言います。
分子を構成する原子の数は一様ではなく、原子の数が少ない分子もあれば、原子の数が多い分子もあります。これらのうち、一般に数個から数百個という少ない原子で構成される分子を「低分子」、数千個以上という多い原子で構成される分子を「高分子(ポリマー)」と言います。
液体の粘度を考える上で、低分子と高分子の違いは非常に大切な知識となります。
液体の粘度は、分子の運動の早さによって決まります。分子の運動が速ければ速いほど粘度が下がり、遅ければ遅いほど粘度が上がる、という関係です。
分子の速さは、以下の3つの影響によって変わります。
分子が大きければ大きいほど運動の速さは遅くなり、分子が小さければ小さいほど運動の速さは速くなります。
限られた容積の入れ物に大きな分子がたくさん詰まっていれば、いわゆるギュウギュウ詰めの状態となり、分子は動きにくくなります。一方で小さな分子であれば、比較的動きやすくなります。観察者の体感としては、分子が大きいほど粘度が高い、と感じられます。
通常、高分子はヒモのような状態で構成されていますが、このヒモと他の高分子のヒモのとつながりの程度を、高分子の交互作用と言います。ヒモ同士が強く絡み合っていれば、相互作用が強いことになります。
相互作用、つまりヒモ同士の絡み合いが強ければ強いほど互いに干渉し合うため、分子運動をしにくくなります。結果、分子運動が遅くなって液体の粘度が高くなることがイメージできるでしょう。
分子運動の速さは温度によって変化します。温度が高ければ高いほど運動が速くなり、温度が低ければ低いほど運動が遅くなります。
分子運動が速くなるということは、言い換えれば、分子が自由に動き回れる状態になる、ということ。この自由に動き回れる状態が分子の相互作用に抵抗するため、結果として液体の粘性が低下します。
対象物が液体か固体かの違いは、見た目や硬さではなく、分子の構造で決まります。非結晶構造であれば液体、結晶構造であれば固体です。この基準で考えれば、一見固体に見えるガラスは、実は液体ということになります。何万年、何十万年と放置すれば、ガラスも重力にしたがってゆっくりと形を変えていくのかもしれません。
このように、あまりにも粘性が高いため固体に見える物質でも、温度を上げることで分子運動を速くすれば、粘性が下がって本来の液体のような状態になります。ガラスの温度を上げれば、やがて液体のようにドロドロになることは、多くの方がご存じでしょう。この観点に立てば、温度と時間には相互作用がある、と考えることもできます。
この温度と時間の相互作用を利用し、通常温度であれば変化に何十万年もかかる物質の温度を上げ、わずか数秒で変化を計測することは実験室で一般的に行われています。
通常の温度であれば分子運動が遅い液体でも、温度を上昇させることで分子運動を速くすることができます。ポンプ選びの際の参考にしていただければ幸いです。
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